R1 須崎海岸
垂直にそびえる凝灰岩の岩壁
縦じま模様の地層が広がる須崎海岸。かつては水平だった地層が、横からの力によって褶曲して現在のように垂直になり、縦じま模様をよく観察できるようになりました。約300mの遊歩道を歩いていくと、間近に見ることができるその模様の正体は、火山灰が海底に降り積もってできて固まった凝灰岩です。 屋形船を使って海から見ると、2つの岩の地層が重なるとこ...
北部宇和海エリア
垂直にそびえる凝灰岩の岩壁
縦じま模様の地層が広がる須崎海岸。かつては水平だった地層が、横からの力によって褶曲して現在のように垂直になり、縦じま模様をよく観察できるようになりました。約300mの遊歩道を歩いていくと、間近に見ることができるその模様の正体は、火山灰が海底に降り積もってできて固まった凝灰岩です。 屋形船を使って海から見ると、2つの岩の地層が重なるとこ...
祠が伝える、悲しい伝説
小さな青石で積み上げられた祠には、お姫様の悲しい伝説が残ります。 昔、京のお姫様が不治の病にかかり、船に乗せられて、現在の八幡浜市にたどりついた後、この鴫山地区で落ち着くことになりました。お姫様に同情して小屋を建てお世話した村人たちに対し、お姫様はこの地から永遠に不治の病が出ないよう、亡くなられるまでの数年間、毎日祈りをこめて法華...
天にまで届くような、石灰岩を積み上げた段々畑
宇和海沿岸に点在する段畑は、身近にある岩石を利用して積み上げられるため、地域によって違う岩石が使われています。この狩浜の段畑の石積みの多くは石灰岩によるもの。春には菜の花が、秋にはミカンが色づき、青い空、石灰岩とのコントラストは絶景です。 この石灰岩は、かつて南の暖かな浅い海に生息していたプランクトンなどの生き物の死がいが、プレー...
砂岩と泥岩のしましま模様が見える場所
俵津のしましま地層がある四万十層はプレートが沈み込む際に、大地がはがれて堆積した典型的な付加体による地層です。俵津のしましま地層では主に砂岩と泥岩が交互に構成されたタービダイトを観察できます。 タービダイトは、大雨のときなどに発生する大きな川の水の力で運ばれた砂や泥が海の底(海溝)に溜まったものです。その際、粒が粗い砂が先に溜まっ...
日本列島を縦断する地層の一部
蔵貫白石鍾乳洞の周辺には石灰岩の地層が広がります。近くで見つかった化石の特徴から、この石灰岩は中生代ジュラ紀の終わり頃、二枚貝や層孔虫などの石灰質の生物遺骸が集まってできた礁がもとになっていることが分かりました。これらは「鳥巣式(とりのすしき)石灰岩」と呼ばれ、北海道から沖縄本島まで2,000㎞ にわたって見つかっています。 洞穴の内部...
名前の由来は大津波と言う説も
三瓶町和泉地区のほぼ中央にそびえ立つ岩山で、頂上から三瓶湾や八幡浜方面を見渡せます。岩山から見下ろした山の中腹には集落があり、人々は急傾斜地を田畑として耕し、柑橘栽培を営んできました。峠を越えれば宇和町や八幡浜市にすぐ出ることができ、大きな道がなかった時代は、交通の便がよい場所だったと考えられます。 この山の名の由来には、その昔、...
南方系の植生が特徴の境内林
国造神社は、三瓶町朝立地区のほぼ中央の小さな丘に存在します。この神社は朝立地区の各神社を1868(明治元)年に合祀し、「三瓶」の地名と関係の深い三瓶神社も祀っています。 埋め立てによって今の朝立地区ができるまで、このあたりは海岸線でした。そのため、黒潮の影響を受けた国造神社の境内林には、タイミンタチバナやミミズバイ、アコウなどの南方系...
えひめ自然百景に選ばれた景勝地
大崎鼻は四国西予ジオパークの最西部に位置します。宇和海に突き出た岬はリアス海岸の最も外側に位置することから激しい波の侵食を受け、切り立った海触崖が形成されています。さらに、珍しい温帯の植物群も観察できることから、「えひめ自然百選」に選ばれています。 岬の先にある大崎鼻灯台は1950年代に点灯を開始し、宇和海を航行する船舶の安全運航に重...
岩に根を巻き付けた巨木
明浜町宮野浦地区にある客人神社。境内に入ると左手に大きな岩があり、その岩の上にアコウの巨木が生えています。樹齢300年、高さは10m、枝張りは0mの巨木です。 アコウは、細かく分かれた幹や枝から気根と呼ばれる根をたくさん垂らして岩や樹木などに張り付きます。他の木の上で大きく育つと、土台となった樹木を根でおおいつくして枯らせてしまうことがあ...
若者の成長を見守ってきた2基の常夜灯
昔、若者が地域の祭りや夜警、防災活動などをしながら社会勉強をする「若者宿」という場所がありました。そこで活動する若者たちが奉献したのが賀茂神社にある2基の常夜灯です。建立後、毎晩、若者たちは交代で灯火し、その風習は若者宿が無くなるまで続きました。 石灰岩でできたこの常夜灯は高さ3mもあり、西予市の有形文化財に指定されています。また、...
石灰を海外にも輸出していた「白い村」
明浜町高山地区では江戸時代後期から石灰岩の採掘・加工が始まりました。明治に入ると飛躍的に生産性が高まり、朝鮮半島や東南アジアなど海外にも輸出。「白い村」と呼ばれました。 地域最大の「大早津の石灰産業跡地」に見られるように、山から切り出した石灰岩をトロッコで運び、石灰窯で焼いて精製し海岸から出荷するなど、各拠点が連携し一大産地を形成...
海に浮かぶ石灰岩の大岩
明浜町高山地区の碆ノ手の鯨塚付近の海岸に目を向けると、大きな丸い岩が波打ち際に転がっているように見えます。この大岩は石灰岩でできており、大規模な石灰岩帯がある山からの転石ではないかと考えられています。 この丸石の下部には、石灰岩に穴を掘り生活する「ウド貝」が多く見られ、かつては人々が岩を削って貝を採っていました。しかし、食べられる...
谷に水が浸入しつくられたリアス海岸
野福峠から眼下に広がるのが宇和海のリアス海岸です。海まで急傾斜地が迫り、複雑に入り組んだリアス海岸は、1万年前ごろ、気温が高くなって氷河が溶け、海面が上昇したことで谷に水が浸入して形成されたと考えられています。 リアス海岸には、山から豊富な養分が流れ込み、それを求めたプランクトンや小魚、さらには大型魚が集まります。そのためか、天保...
夕日を背景にゆったりと寝ている観音様
三瓶町の中心部から県道を南に移動し、須崎海岸の方向を見ると、山並みが観音様が仰向けに寝ているように見えます。この景色を「寝観音」と呼びます。約4億年前の黒瀬川構造帯の地層がある須崎海岸が観音様の頭の先にあたり、おでこにあたる部分にある須崎園地には須崎観音像が建てられ、まるで観音様のまつ毛のように見えます。
四季折々の花と宇和海を同時に楽しめる
三瓶町の福島展望公園「あらパーク」(有太刀生活環境保全林)内をさらに奥に進むと「かくれの里」があります。「かくれの里」は、土地の持ち主の方が長い時間をかけてひとりで耕した壮大なお花畑です。知る人ぞ知るアヤメの名所で、目の前には宇和海が広がり、晴れた日には九州まで見渡すことができます。また、三瓶湾の全景がよくわかります。
宇和海近辺の海と山を眺める絶好のスポット
山岳公園は明浜町と宇和町の境にある標高464mの権現山の山頂につくられた展望休憩所で、佐田岬半島や宇和海を望むことができます。また、眼下には海に迫る段々畑が広がっています。権現山は狩浜地区で一番高い山として、人々の信仰の対象でした。石鎚山を詣でる先達によって社殿が建てられ、雨乞いなどが行われていました。
潮が引くと地続きとなる小島
明浜町狩浜地区にある島の元(長浦島)は、その愛らしい姿から、地元の子どもたちに「たこやき島」と呼ばれ親しまれています。大潮のときに潮が引くと地続きになるので、島に渡って一周することもできます。海岸は四万十層のごつごつした岩場で、ところどころにできる潮だまりをのぞくと、カニや小魚などの生きものを観察できます。