辰砂(チナバー) Cinnabar スペイン アルマデン 辰砂は水銀とイオウの化合物で、水銀の鉱石であるとともに、古来よりすりつぶして朱色の顔料に利用されてきた。「魏志倭人伝」にも卑弥呼の邪馬台国には朱が産出するという記述がある。また、四国には中央構造線に沿って数多くの辰砂の鉱床が存在し、弘法大師空海もその重要性を認識しており四国の霊場は辰砂の鉱床の近くに置かれているといわれている。当標本の産地、スペインのアルマデンは、紀元前から採掘されている水銀の鉱山で、顔料用の朱の採取も行われていた。