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日本列島の成り立ち
 少し前までは、日本列島も大陸基盤の上にいろいろな時代の堆積岩が積もって、造山運動を受けながら出来上がったと考えられてきました。しかし、プレートテクトニクスの登場によって、考え方が一変しました。
 日本列島は大陸そのものではなくて、大部分はアジア大陸東縁に沈み込んでいった海洋プレートによって大陸の縁に寄せ集められた、いろいろな時代の、いろいろな種類の「付加体」で構成されていると考えられるようになりました。
 海洋プレートの上には、堆積物のほかにも大小の海山(海底火山)・海嶺・島弧・大陸片などが多数存在しています。それらの岩石は軽いため、海溝に到達しても沈み込めずに大陸側に寄せ集められます。このようにして形成されたものが「付加体」です。
 プレートの沈み込みとともに付加体が順次成長すると、大陸側から海側へと付加体の年代は順番に若くなります。
 日本列島の場合、付加体が形成された後に、「中央構造線」のような大規模な横ずれ断層によって付加体が水平方向にずらされ、地質帯が重複するような運動も、日本列島の形成に重要な役割を果たしたと考えられます。
 アジア大陸東縁の付加体が、日本海が開くことによって、大陸の一部とともに大陸から分裂して、現在のような日本列島を形作るようになったのは、新生代新第三紀中新世以降(今から1千5百万年前)のことです。

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