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日本最古の化石
 日本列島の地帯構造図をみると、日本列島の基盤の大部分は、中生代ないし新生代の付加体でできています。それに対して飛騨帯、飛騨外縁帯、黒瀬川構造帯、および南部北上帯には、古生代前半や先カンブリア時代の岩石があります。日本における古い時代の化石も、このような地帯から発見されています。
 現在知られている日本最古の化石は、岐阜県高山市の地層中から見つかる原始的な脊椎動物の歯化石とされるコノドントで、古生代オルドビス紀中期〜後期(約4.7〜4.43億年前)のものです。かつて日本最古とされていた化石は、南部北上帯、城川町などの黒瀬川構造帯、および飛騨外縁帯から見つかっていた古生代シルル紀後期(約4.23〜4.19億年前)のサンゴや三葉虫の化石でした。
 大陸は海洋プレートのように古いものがどんどん消滅していくということはないことから、大陸をとりまく浅い海に生きていた古生物が、化石として大陸地塊とともに保存されたのです。

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