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赤道からやってきた黒瀬川古陸
 黒瀬川構造帯には、ピンク色を呈した美しい石灰岩が分布しています。それは、造礁性サンゴ(クサリサンゴやハチノスサンゴ)をはじめ、その間をはいまわっていたであろう三葉虫や腕足貝の化石を産することで有名な、古生代シルル紀(約4億2千7百万年前)の暖かい海で形成されたサンゴ礁の化石なのです。
 城川町でも嘉喜尾のエガマ淵、窪野の中野川、寺野などにそのような石灰岩が分布していて、化石がみつかっています。
 このような石灰岩は、黒瀬川構造帯に何百キロメートルにわたって点々と分布しています。このことは、当時の日本付近の気候が暖かくて、列島に沿ってオーストラリアのグレート・バリアリーフに比較されるような大サンゴ礁が発達していたということなのでしょうか?一方、サンゴや三葉虫の化石には、オーストラリアや南中国のものと共通種が多いことが昔から注目されてきました。このことにはどのような謎がかくされているのでしょうか?
 その答えは、この石灰岩を含めて黒瀬川地帯の岩石が帰属していた「黒瀬川古陸」は、実はかつて存在していた「ゴンドワナ大陸」の一部であったらしいということです。

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