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ハチノスサンゴ Favosites sp.

 腔腸動物床板サンゴ類に属しています。横断面の模様がハチの巣のように見えることから「ハチノスサンゴ」と呼ばれています。個体は六角形の柱状をした薄い囲壁によって互いに連結して直径が数センチから十数センチの群体を造っています。
 出現は古生代オルドビス紀で、シルル紀やデボン紀に繁栄しました。住んでいた環境は南の暖かい海で、クサリサンゴや日石サンゴ、層孔虫などと共にサンゴ礁を造っていました。その後大陸の移動と共にはるか5000kmを移動して、日本列島に押し付けられました。その後4億年の年月を経て、大地と共に上昇し黒瀬川構造帯になりました。
 このようにして形成された北上山地や横倉山のシルル紀の地層からはハチノスサンゴやクサリサンゴが沢山産出しています。以前は城川町の嘉喜尾や窪野から報告されたことがありますが、最近では聞かれません。
 クサリサンゴやハチノスサンゴはシルル紀やデボン紀の時代を知るための示準化石であると共に、当時の自然環境を知るための示相化石としても重要なものです。ちなみにこの化石が見付かれば当時の生活環境は南の暖かいサンゴ礁だったといえます。

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