活動アルバム活動アルバム活動アルバム 市内外の皆さんに四国西予ジオパークを理解していただくため、イベントや研修会など様々な取り組みを行なっています。ここではこれまで実施してきた活動の記録をご紹介します。

活動アルバム
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市内外の皆さんに四国西予ジオパークを理解していただくため、イベントや研修会など様々な取り組みを行なっています。ここではこれまで実施してきた活動の記録をご紹介します。

田穂の石灰岩に関する論文が新たに出版されました。

9月上旬に熊本大学の前川匠研究員より、以前から調査していた田穂の石灰岩の研究論文が出版されたとの連絡をいただきました。

前川研究員を中心とした研究グループは、以前よりジオサイトに登録されている田穂の石灰岩に含まれている化石について調査してこられ、その結果をまとめたものとして今回の論文が執筆されました。
田穂の石灰岩は以前から三畳紀のアンモナイトやコノドント(ヤツメウナギ等の類縁と考えられている魚類の歯の化石)が見つかることで知られていましたが、今回の論文で新たな知見が加わることになりました。

論文は日本古生物学会から出版されている英文誌 “Paleontological Research” に掲載され、タイトルは、“Early Triassic Conodonts from the Tahogawa Member of the Taho Formation, Ehime Prefecture, Southwest Japan.” です。
邦訳すると「西南日本の愛媛県に露出する三畳系田穂層の田穂川部層から産出した前期三畳紀のコノドント化石」になります。

田穂の石灰岩から取り出したコノドント(写真:前川 匠 氏)

論文中の電子顕微鏡(SEM)下で撮影されたコノドントの写真(Maekawa et al., 2018)

今回の調査により、田穂石灰岩が特徴が異なる2つの石灰岩層を含むことから、それぞれ田穂川部層と桜ヶ峠部層に区分しました。
また本研究では、田穂川部層から前期三畳紀に特徴的な13属45種のコノドント化石を記載し、その内の3種を新種として報告しました。
これらのコノドント化石のうち、地質年代の決定に有効な種を用いて5つのコノドント帯を設定したところ,田穂川部層が後期ディーネリアン亜期~前期スパシアン亜期までの地層を連続的に含むことが明らかになりました。
田穂川部層のコノドント化石群集は、テチス海とパンサラッサ海(古太平洋)からそれぞれ報告されたコノドント化石を含むため、両地域を対比する上で重要な報告となりました。

四国西予ジオパークでは上記の研究結果を踏まえて、田穂の石灰岩の保全やガイディングを実践していきます。

論文は科学論文オンラインジャーナルデータベース “Bioone” にて、英文の要約をご覧になることができます。
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http://www.bioone.org/doi/abs/10.2517/2018PR001

(事務局:榊山)