活動アルバム活動アルバム活動アルバム 市内外の皆さんに四国西予ジオパークを理解していただくため、イベントや研修会など様々な取り組みを行なっています。ここではこれまで実施してきた活動の記録をご紹介します。

活動アルバム
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市内外の皆さんに四国西予ジオパークを理解していただくため、イベントや研修会など様々な取り組みを行なっています。ここではこれまで実施してきた活動の記録をご紹介します。

中四国近畿ブロック会議に参加しました。

1月28日から30日にかけてのMine秋吉台ジオパークで開催された、JGN中四国近畿ブロック会議へ参加しました。

JGN中四国近畿ブロック会議は毎年1月~2月頃に開催されています。
(昨年はなんと四国西予ジオパークにて行いました!)
この会議は、幹事地域が設定したテーマに沿って、各地のジオパークの取り組みを共有し、ジオパーク活動の在り方を見直すことが目的としています。

四国西予ジオパークからは、推進室室長と専門員の2名が参加しました。
初日は移動日ということで、夕方に会場兼宿泊場所である「秋芳ロイヤルホテル秋芳館」に到着した我々は、ビジターセンターの「カルスター」や、雄大に広がるカルスト台地を視察しました。
この時期のカルスト台地は草が枯れ、やや寂しい印象を受けましたが、あたりに広がるカレンフェルトやドリーネから他では見られない特有の景観を味わうことができました。

Mine秋吉台ジオパークが今回提案した内容は、他地域の参考となるような活動事例を紹介するというものでした。
四国西予ジオパークの発表では、今年度の実施した良い取り組みとして、教育事例と産業事例を取り上げました。
教育事例では宇和高校の1年を通じたジオパーク学習の取り組みや、三瓶中学校におけるジオパークを題材とした生徒の主体的な問題解決能力を育む学習などを紹介しました。
産業事例では、ジオパーク応援店制度に市内の53の事業所が応募していただいたことや、ジオの至宝について取り上げました。
とりわけ教育事例については多くのジオパークから好意的な評価をいただきました。

今回はまだ日本ジオパークに認定されていない推進協議会も含めて、合計10カ所の地域が参加していました。
その他の地域のジオパークでは、三好市ジオパーク推進協議会がガイドを伴って登壇していたのが印象的でした。
これまでのガイド実績や、認定に向けた様々な取り組みを紹介していました。

土佐清水ジオパーク推進協議会では、国立公園との連携した取り組みを発表されていました。

萩ジオパークは昨年の日本ジオパーク認定を受けて、ビジターセンターの展示更新や様々なジオパーク活動の可視化に向けた取り組みを発表されていました。

幹事であるMine秋吉台ジオパークは、認定前の活動から現在までの歩みを紹介するとともに、現在協議会が抱えている悩みを共有していました。

各地の事例紹介の後は、鳥取環境大学の湯洞先生が話題提供としてジオパークの審査についてご自身の審査方法等を紹介し、各人が審査の在り方を考える機会を設けていただきました。

また先生によれば、最近の日本のジオパークの活動傾向として、地元の文化や地場産品の紹介に力が置かれている点、一方で変動帯に位置する日本としての大地の成りたちや防災意識の普及、そして国連が推進する「持続可能な開発のための目標(SDGs)」に合わせた環境保全の取り組みなどがやや軽んじられている点を感じているそうです。
四国西予ジオパークでは平成30年7月豪雨を受けて、大地の成り立ちや防災に関する教育活動を今後十分に展開する予定です。一方でまだ不十分なSDGsに関する啓発活動も力を入れていきたいと思いました。

最終日のポストジオツアーではMine秋吉台ジオパークと萩ジオパークの2つを選択できるようになってましたが、我々は萩ジオパークのツアーを選択しました。
案内するのは萩ジオパーク専門員の白井さんと、ジオガイドや事務局のみなさん。

江戸時代に城下町として栄えた萩の町並みは北半分が砂丘、南半分が湿地帯でした。
武士が家を建てたのは砂丘地帯で、身分の低い家は湿地帯に家を建てたそうです。
高杉晋作の生家が残る通りを南に歩くと下り坂になっており、同じような町並みでも地形の違いを体感することができました。

町並みを堪能した後は、その北にある笠山を巡りました。
笠山北部には、江戸時代に植えられたツバキの林がありましたが、今回は時期外れで花を見ることはできませんでした。
また近くには溶岩流が流れて出来上がった海岸があり、地元の石材として切り出した「のみ」の跡を見ることもできました。

笠山は今から一万年前ぐらいに噴火し、流れた溶岩が海岸等のの地形を造りました。
「単成火山」と呼ばれる世界でも珍しい一回きりの噴火でした。

ツアーの最後に笠山の火口を見学しました。
火口の周囲はスコリアと呼ばれる、多孔質でとても固い噴出物が積み重なっていました。

ここで笠山の形成プロセスの説明を受けた後、近くにある展望台へ。
沖合の離島は全て笠山と同じ供給源のマグマが噴出して形成されました。
これらは阿武火山群と呼ばれ、一度噴火した後はまた別の個所から噴火する…というプロセスを繰り返し、萩という小さなエリアに小さな山や離島がいくつもできあがったのです。

萩の町並みの歴史とその背景にある地形学・地質学的要素を、1日で見てまわることができる満足度の高いツアーでした。
萩ジオパークのコンパクトさに魅力を感じつつも、解説の仕方やコース設定は見習うことができるのではないかと感じました。

(事務局:榊山)