活動アルバム
市内外の皆さんに四国西予ジオパークを理解していただくため、イベントや研修会など様々な取り組みを行なっています。ここではこれまで実施してきた活動の記録をご紹介します。
日本洞窟学会第48回大会が開催されました。
11月3日から11月6日にかけて西予市で日本洞窟学会第48回大会と関連行事が開催されました。
11月3日(木・祝)に日本洞窟学会公開講演会「日本の洞窟学と四国西予ジオパークの魅力」が四国西予ジオミュージアムにて行われました。
この講演会は日本洞窟学会第48回大会が西予市で開催されることに合わせて、市民の方に西予の洞窟の価値や洞窟調査の意義を広く知ってもらうためのものです。
当館学芸員の榊山は四国西予ジオパークとその地域に見られる地質の特徴を紹介。
山口大学の辻先生は四国カルストの地質構造の研究や洞窟周辺の地質調査の実例をお話しされました。
日本洞窟学会の村上崇史さまはカルスト地形および洞窟のでき方の概要や、近年行われた西予市の穴神鍾乳洞、羅漢穴、蔵貫白石鍾乳洞の調査成果を報告されました。
洞窟学会会長の山田先生はオンラインでご講演されました。日本と世界の様々な洞窟、そして洞窟を調査研究することの意義についてお話ししていただきました。
山田先生の講演の中で「洞窟やカルスト地形の多くは地下に複雑な構造が発達しています。しかしほとんどの人はその存在に気づきません。そのため開発や利用によって洞窟やカルスト地形の汚染は進む(土壌が乏しく、割れ目をつたって水が速やかに移動するため)傾向がある」という趣旨の説明がありました。自然と文化の保全と活用を進める我々ジオパークの関係者は、とりわけ大切にしなければならない視点であるように思いました。
11月4日に日本洞窟学会主催の市民向け巡検が城川で行われました。
参加者は四国西予ジオミュージアムにて引率の村上さんと横田さんから、穴神鍾乳洞と中津川のトゥファの概要と安全面の注意点のご説明がありました。
その後は2班に分かれて各ジオサイトを見学。穴神鍾乳洞では洞窟ができるきっかけとなった断層の傾斜を測り、鍾乳洞の形成過程についてレクチャーを受けながら洞内を進みました。
中津川のトゥファでは、トゥファの発達する河川でpHを測定し、参加者はpHの変化をはじめて目にしました。
(なお、この日は四国西予ジオミュージアムにて、明間地区の団体や宇和の保育園、野村中学校による利用があり、大きな賑わいを見せました。)
11月5日と6日は学会員の皆さまによる研究発表が行われました。
研究発表では会員の皆さまがこの日の発表のために調査を進めてきたこれまで未公表の成果が紹介されました。
(西予市の洞窟に関しては、村上さまから羅漢穴の測量成果に関する発表がありました。)
また5日の最後には、特別講演として山内平三郎先生がご登壇。山内先生は愛媛県ご出身で、愛媛大学学術探検部のメンバーとしてご活躍されてきました。講演では長年にわたってご貢献されてこられた愛媛や沖縄での洞窟調査のエピソードをご紹介していだきました。
また、国際洞窟・カルスト年(IYCK)にちなんだポスター展を、西予市図書交流館まなびあんと西予市図書交流館野村分館ゆめちゃんこでそれぞれ開催しました。
(まなびあん開催:10月26日~11月6日)
参加された市内在住の方からもご好評の声を数多くいただいた今回の学会開催。
改めて、当地を会場に選んでいただきました日本洞窟学会の皆さまに御礼を申し上げます。