活動アルバム
市内外の皆さんに四国西予ジオパークを理解していただくため、イベントや研修会など様々な取り組みを行なっています。ここではこれまで実施してきた活動の記録をご紹介します。
3/2 イベント「西予市の養蚕とアート」を実施しました。
令和6年3月2日(土)に四国西予ジオミュージアムの企画展示室1・2を会場として、「西予市の養蚕とアート」と題した特別講演会とワークショップを開催しました。
前半の特別講演会では野村シルク博物館の密田和彦館長がご登壇。愛媛県では明治維新後の旧士族の授産事業として蚕糸業が始まったことや、明治の後半や大正時代にかけては日本の輸出の花形であった生糸の中でも愛媛県産はとりわけ高品質なものとして知られたことなど、私たちがあまり知らない愛媛県の蚕糸業の歴史をご紹介いただきました。
そんな愛媛の蚕糸業も現在、養蚕農家は野村町に6戸残るのみ。伊勢神宮の「第63回式年遷宮御用生糸」として拝命を受ける伊予生糸の生産現場と技術を何とか継承していきたい、と密田館長の熱い思いをご披露いただきました。
後半では、京都からお越しになられたArt fiber Endoの遠藤孝子氏と戸塚刺繡協会の嶋岡純子氏のご指導の下、シルクアートの制作を体験するワークショップを行いました。参加者は繭玉に好きな模様を毛筆で描き中に紐を通してアクセサリーを制作したほか、シルク糸で桜の花の刺繍縫いを体験しました。
また会場には総合司会の榊原正幸先生と一緒に、昨夏の「カラウォ展」でも来訪されたインドネシア・ゴロンタロ州の方々も来訪され、野村のシルクを使った刺繍をご紹介されたほか、ゴロンタロ州の伝統料理やインドネシア産のコーヒーを振る舞われました。インドネシアにおいてコーヒー豆の栽培は、環境問題を招く金採掘に代わる新たな生業として定着しつつあるとのことです。榊原先生が代表を務める研究グループSRIREPは、ゴロンタロ州と西予市の交流ならびに、双方で持続可能な文化・産業が確立するようなきっかけ作りに貢献していただいています。
※企画展示室1・2は普段の利用においては食事を禁止しておりますが、今回はイベントとして特別に許可して実施されました。
市内のみならず宇和島市や東温市からの参加もあり、とても和やかな雰囲気でイベントは盛り上がりました。
四国西予ジオパークでは今後も、シルクをはじめとする地元の伝統産業や文化を広く知ってもらうための取り組みを続けてまいります。