G1 下相のジュラ紀化石の露頭
大自然の成り立ちを間近で見られる化石の産地
黒瀬川の河岸に露出している白っぽい岩は、後期ジュラ紀(約1億5,000万年前)の二枚貝やサンゴなどの化石を含む石灰岩で、まわりの泥岩や砂岩の中にブロック状に取り込まれています。このことから、ジュラ紀の終わりごろ、温暖な浅い海でできた石灰岩が斜面崩壊によって海の底に流れ下り、泥や砂の中に混ざりこんだということがわかります。岩の表面を水で濡...
黒瀬川エリア
大自然の成り立ちを間近で見られる化石の産地
黒瀬川の河岸に露出している白っぽい岩は、後期ジュラ紀(約1億5,000万年前)の二枚貝やサンゴなどの化石を含む石灰岩で、まわりの泥岩や砂岩の中にブロック状に取り込まれています。このことから、ジュラ紀の終わりごろ、温暖な浅い海でできた石灰岩が斜面崩壊によって海の底に流れ下り、泥や砂の中に混ざりこんだということがわかります。岩の表面を水で濡...
4億5,000万年前の黒瀬川構造帯の一部です
4億5,000万年ほど前(古生代オルドビス紀)の日本最古級の古さをもつ変成岩が見られる露頭です。この変成岩は寺野集落の地名から、寺野変成岩と名づけられました。 黒瀬川構造帯を構成する岩石で、西予市ではほかにも城川町三滝地区や三瓶町周木地区で見られます。この時代には、三葉虫(P60参照)のような節足動物などが繁栄しましたが、4億4,000万年ほど...
歴史と大自然に彩られた自然公園
三滝山は、三方が急傾斜地で北方のみゆるやかな地形となっており、自然の要塞として戦国時代には山頂に山城が築かれていました。 そのふもとにある三滝渓谷には三滝神社まで続く600mの遊歩道があり、そこを歩けば、鳥のさえずりを聞きながら、圧巻の渓谷美や新緑、紅葉、雪化粧といった四季の彩りを満喫できます。
気軽に探検ができる鍾乳洞
穴神鍾乳洞は、1969(昭和44)年に地元の中学生によって発見されました。中生代ジュラ紀にできた約300mにおよぶ鍾乳洞では75mの遊歩道が整備され、気軽に洞窟体験ができます。 洞窟内では、小規模ながらつらら石、石筍、石柱、水が流れた跡のようなフローストーンなどが大切に保存されています。 ※ふだんは入り口の扉にカギがかかっているので、見学時には...
とても速いスピードで成長し続ける地質
「トゥファ」の語源はラテン語で「小さな穴があいている白い石」という意味です。石灰岩になる前の岩石で、川底や周りの石が白っぽくなっている部分がトゥファです。 中津川のトゥファは全長380m、幅10mの範囲に広がり、1年に数ミリ程度ですが、速いスピードで今なお成長しつづけている日本でも最大級のもので、多くの研究者からの注目を集めています。
川の流れが育んだ三段の河成段丘
河成段丘は、川の流れに沿って発達する階段状の地形で、過去に河原だった場所が隆起したり、気候変動の影響を受けたりして形成されます。高い位置にある段丘面ほど古い時代に形成されたものと考えられています。 肱川流域は愛媛県の中でも河成段丘が発達している地域のひとつです。魚成川は黒瀬川の支流で、黒瀬川は野村町坂石で肱川に合流しています。魚成...
中生代三畳紀のアンモナイト化石
城川町田穂地区にある石灰岩からは、1923(大正12)年に西予市の隣の鬼北町出身で世界的にも著名な地質学者・大野作太郎氏の手によって約2億5,000万年前から始まる中生代三畳紀前期のアンモナイト化石が発見されました。 アンモナイトは暖かい浅い海に生息していた生物で、平らな巻き貝の形をしていて貝類と間違えられますが、タコやイカの仲間である頭足類...
多くの写真愛好家が集う、山里の絶景
農林水産省の日本の棚田百選にも選ばれている「堂の坂の棚田」。田穂地区の山里に美しい田園風景が広がります。 堂の坂川から水源の確保ができ、比較的傾斜がゆるやかなこの地に地域の農民が開墾した約1.2haの石積みの棚田です。現在は6軒ほどの農家が約70枚の田を耕し、毎年、80俵ほどの収穫があります。 6月の田植え後には、棚田の上から見下ろす緑の稲...
サンゴの化石が示す、黒瀬川構造帯の謎
嘉喜尾地区の黒瀬川の流域の石灰岩や凝灰岩からは、ハチノスサンゴやクサリサンゴなど愛媛県の天然記念物にも指定されている珍しい化石が発見されています。明らかに周囲とは異なるこれらの岩石の調査が日本で初めて行われたため、九州から関東まで続く一連の地質が「黒瀬川構造帯」と名付けられました。 ハチノスサンゴやクサリサンゴはともに床板サンゴ類...
知る人ぞ知る、落差20m弱の隠れ滝
嘉喜尾地区の鳴滝は谷の奥深くにあり、一部の地元の人しか存在を知らない「隠れ滝」でした。10数年前に地域の人たちの手によって林道が整備され、滝の近くまで行くことができるようになりました。落差17m、滝の上部はつづら折りになっています。
本のページのように薄くはがれやすい岩石
遊子谷の川には赤色頁岩や黒色頁岩が見られます。頁岩とは、泥が固まってできた岩石(泥岩)のうち、堆積した面にそって薄く層状に割れやすい性質をもったものをいいます。 主に陸地から運ばれた泥が海の中にたまってできたものですが、火山灰や放散虫と呼ばれるプランクトンなどが含まれることもあります。放散虫の殻によってその地層が堆積した時代がわか...
海女伝説が残る標高1,111mの山
標高1,111mの雨包山の頂上付近には展望台があり、周囲の山々の稜線を楽しむことができます。 実は一人の海女の存在が地名の由来にかかわっていると伝えられます。約600年前、現在の八幡浜市にいた海女の夢に神様が現れ「海の底で苦しんでいるので、高い山に連れていってくれ」と告げられました。そのお告げをもとに、海底で見つけた金の恵比寿像を山頂に置...
虹ができる落差30mの滝
雨包山の峰からの水が、大小様々な滝となって野井川に注いでいます。そのなかでも「樽の滝」は、落差約30mを誇り、滝の一帯は層状チャートや泥岩、頁岩などでできています。 滝の水量はそう多くはありませんが、水で濡れた層状チャートは、しま模様がはっきりとわかり、キラキラと輝いて見えます。また、水しぶきが陽の光に照らされて、虹 できることもあ...
幕末に土佐脱藩者たちが超えた峠
標高830m、西予市城川町と高知県梼原町との間にある峠で、大正時代までは両県を結ぶ主要な道で、明治維新の志士・吉村虎太郎ら10名が、この峠を越えて脱藩したとされます。 城川町側は傾斜がきつく、「九十九曲」の名のとおり、かなりの回数を曲がるつづら折りの急な坂になっています。このような急傾斜地となったのは、このあたりで岩石の種類が変わるから...