生産者ストーリー
漁師と生産者のリレーで
黄金の輝きを食卓へ届ける
株式会社マルウ水産
伝統の一本釣り漁を守るため、ブランド化
「同級生の浅野と2人3脚でやってきたんよ。」
そう語る、㈱マルウ水産の宇都宮一彦社長。高校卒業後、地元を離れ音響照明の仕事に携わっていた宇都宮社長がUターンし、家業である魚屋を継いだのが約20年前。現在では、良い時に3,000円~3,800円/kgで取引される奥地あじが、当時は浜値で500~800円/kg程度。酷いときには200円/kgの値がつくこともあった。
「このままでは三瓶の一本釣り漁は消滅してしまう。何とかしなければ」との思いを抱き、関東をはじめ全国各地に販路を求めた。より上質なアジをお客様に届けようと約10年前からは、大きさ・質・形が一定基準以上のアジを、海図に掲載されている奥地湾からとり「奥地あじ」としてブランド化。より組織的な事業展開のために㈱マルウ水産を設立した。
奥地あじの最大の特徴は、黄金に輝くその魚体。一般的には黒潮にのって回遊するアジであるが、奥地あじは湾内の海底が隆起した瀬と呼ばれる漁礁に居つく。これは、リアス海岸の傾斜地の山や川を通じて良質な植物性プランクトンやミネラルが湾内に流れ込み、それを求めた動物性プランクトン、さらには豊後水道の潮流にのって豊富なシラスが集まるからだ。そのため、奥地あじは回遊魚のように日光で日焼けせず、脂がのり、ふくよかに育つ。