活動アルバム
市内外の皆さんに四国西予ジオパークを理解していただくため、イベントや研修会など様々な取り組みを行なっています。ここではこれまで実施してきた活動の記録をご紹介します。
桂川渓谷でシダ植物調査が行われました。
8月29日と30日の二日間、野村地域自治振興協議会が北里大学薬学部付属薬用植物園の石川寛助教をお招きし、桂川渓谷のシダ植物調査が行われました。
平成30年7月の豪雨災害によって桂川渓谷は遊歩道や橋が被害を受け、同様に生息する貴重な植物も被害の影響を受けていると考えられます。
桂川渓谷に自生する植物の採取は普段禁止されておりますが、今回は学術調査のための正式な手続きを行った上で、種類を同定(生き物や岩石などの種類を特定すること)するために採取されました。
また、この調査にはジオガイドも勉強と被災状況の確認のために同行しました。
ときには葉脈の形状から種を同定するため、ルーペを用いてじっくり観察されました。
桂川渓谷の被害は大きく、上流から流されてきた多数の礫(れき:石のこと)や流木、あるいは崩落箇所に気をつけて進んでいきました。
この日初めて被害状況を見学したジオガイドも衝撃を受けておられるようでした。
さらに石川先生は崖をよじ登り、シダを観察されることも。
また8月31日には、西予市野村公民館にて石川先生による講演会が行われました。
前半はシダ植物という生き物について、その定義や種類、生態学的特徴を解説されました。
そして後半は桂川渓谷で撮影したシダの写真を紹介し、同定の結果を述べられました。
先生によれば、今回の調査で桂川渓谷を歩いた実感として、倒木等による光の差し込み具合の変化によってシダの植生は今後変わりうる可能性があるとのことでした。
また桂川渓谷でよく見られるシダとして、コケシノブの仲間やハイホラゴケ、キジノオシダやオオキジノオが挙げられるということでした。
是非継続して調査を実施し、経年変化を明らかにすることで今後の保全活動に繋げたいところです。
お忙しい中来訪していただいた石川先生には厚くお礼を申し上げます。
(事務局:榊山)