活動アルバム
市内外の皆さんに四国西予ジオパークを理解していただくため、イベントや研修会など様々な取り組みを行なっています。ここではこれまで実施してきた活動の記録をご紹介します。
山口県の美祢市立伊佐中学校とオンライン授業を行いました。
6月16日に山口県の美祢市立伊佐中学校1年生16名にオンラインで授業を行いました。
きっかけは山口県のMine秋吉台ジオパーク。
同じカルスト地形をもつジオパーク同士、これまでも様々な場面で連携をとってきました。
今回もMine秋吉台ジオパークの小原専門員から、「伊佐中学校で秋吉台のカルスト地形の特徴を教えてきたので、四国カルスト大野ヶ原と中継をつないで、両者の共通点や違い(特に大地と人との関わり)について、彼らの理解を深めたい」との申し出があり、快く承諾しました。
梅雨のシーズンなので、雨天で中止になることも十分考えられましたが…
(2週間前の気象予報の降水確率は、50~60%くらいでした!)
本番は、これ以上ないくらい素晴らしい快晴に恵まれました!
また新型コロナウイルス流行の影響で、実際の授業実施も一時は危ぶまれましたが、5月下旬からの全国的な自粛緩和の流れに伴って、無事に授業を実施することができました。
教室内ではマスクの着用、生徒間の距離を十分に空けるなど、密な空間とならないように対策がとられていました。
(上の画像は小原専門員撮影。)
授業では、大野ヶ原の集落から源氏ヶ駄場の頂上へと至る、ちょうど中腹から見下ろした景色を主に見てもらいました。
源氏ヶ駄場はいかにも“カルスト地形”なカレンフェルトがたくさん見られますが、この辺りからだと、石灰岩と大野ヶ原の集落、そして大野ヶ原の人々の生活用水の源である“ブナの原生林”がバランスよく一つの画角に入ります。
この景色を使って、石灰岩の大地では雨水などが地下深くへ染み込んでいってしまうので、生活用水の確保が難しいことや、ブナの原生林から湧き出る水を大切に使っていることを説明しました。
運が良ければ乳牛の放牧も見ることができるのですが、あいにくこの日は放牧されておらず。
代わりに集落に見える牛舎等を説明して、大野ヶ原が県内有数の酪農が営まれていることを伝えました。
大野ヶ原における土地利用は、鍾乳洞の観光や鉱山開発が主な土地利用である秋吉台とは大きく異なりますね。
また、秋吉台は標高約 100 ~ 300m の低い場所にあるのに対し、大野ヶ原は標高 1,000 ~ 1,400m ととても高い場所にあります。このため冬は気温が下がって雪が積もり、辺りは一面の銀世界に。
生徒たちにも、画面越しに映る険しい山の峰々から、この場所が山がちで標高の高いところにあることに気づいてもらえたようです。
(上の画像は小原専門員撮影。)
最初は少しおとなしかった生徒たちも授業が進むにつれて、質問をしてくれたり、こちらからの問いかけに応えてくれるようになりました。
後日、小原専門員からも、生徒たちが「面白かった!」という感想が多かったという返事をいただくことができました。
伊佐中学校での授業の様子は、地元のケーブルテレビによって収録、放送されました。
授業を通して彼らが、同じカルスト地形でも地理的条件やそこに住む人々の歴史によって営みや景観が変わることを理解すると同時に、大野ヶ原の人々の暮らしから「持続可能な暮らし」をしていくにはどうすればいいかを考えるきっかけになれたなら幸いです。
(事務局:榊山)