活動アルバム
市内外の皆さんに四国西予ジオパークを理解していただくため、イベントや研修会など様々な取り組みを行なっています。ここではこれまで実施してきた活動の記録をご紹介します。
せいよ自然と暮らしのカレッジ「須崎海岸の斜面崩落を考える」を開催しました
3/13(土)せいよ自然と暮らしのカレッジ「須崎海岸の斜面崩落を考える」を開催しました。
須崎海岸は四国西予ジオパークの代表的なサイトの一つですが、2020年7月の大雨時に遊歩道の一部で斜面崩落が発生し、陸上からの見学ができない状況が続いています。
今回のイベントは、崩落現場の調査からわかってきたことを学び、今後の保全・活用について意見交換を行おうというものです。
はじめに海上から崩落現場の見学に向かいました。
風が結構強く、普段よりも波がありましたが、無事出航!
講師は、崩落現場の調査を行っている(株)ナイバの木村さんです。
須崎海岸の地形や地質の概要について確認しながら、現地に向かいました。
波があり、じっくりとどまることはできませんでしたが、現在の崩落地の様子を見学することができました。
続いて、室内で木村さんから調査の経過報告。
行政による措置として、崩落時に発生した倒木の一部除去が行われたものの、重機を入れることが難しく経過観察を続けていること、崩落発生後は大きな崩落は起きておらず、雨や波によって崩落した土砂が少しずつ浸食されて体積が減少しているということなどがわかりました。
調査報告をふまえて参加者同士での意見交換。
地元の三瓶在住者、西予市民、ジオガイド、市外からの参加者など多様な立場の人が集まり、今後の須崎海岸の復旧や利活用のあり方について、意見を交わしました。
海上からの見学手段の充実や、う回路の整備、崩落現場を見せる工夫の検討など様々な意見が出されました。
意見交換の様子はZoomで配信し、四国西予ジオパークの学術アドバイザーである、東北学院大学の目代先生からコメントを頂きました。
「今回のような比較的小規模の崩落について、研究者はあまり調べないのでこの海岸の地形がどのようにできたかも実はちゃんとわかっていない。今日のような学びの場を設け崩落をがどうして起こるのか考えるのは重要。大地の活動が活発な変動帯に位置する日本では、つねに災害と隣り合わせであり、身近な場所での地形の変化は,地域で注視してどうするか考えていってほしい」
行政による須崎海岸の崩落地の調査は、今年の夏ごろまで継続予定とのこと。
定員を上回る申し込みを頂き、須崎海岸の復旧に対する地域の関心の高さがうかがえました。今回に限らず意見交換の機会を設けて、議論をさらに進めていけるとよいな、と感じました。
(作成:一般社団法人ノヤマカンパニー)