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西予市では、四国西予ジオパークを広めるため様々な取り組みを行っています。ここでは、今後開催予定の最新のイベント情報をお知らせします。

2011年12月06日

第2回ジオ資源調査報告(肱川上流地域)

カテゴリー:未分類

肱川の源流は、西予市宇和町にあります。北に位置する瀬戸内海まで直線距離で15キロ、西に位置する宇和海まで同じく15キロほどしかありませんが、地球活動はそのような単純な流れをゆるしませんでした。肱川源流からの水は、南へ西へそして北へと反時計まわりに下ってゆき、最終的に肱川は103キロもの川となって、瀬戸内海に流れ込んでいます。

皆さん、驚くのはまだ早い!肱川の長さは日本で50番目程度でしかありませんが、その支流の数はなんと約470もあり、日本で4番目の支流数を誇る川なんだそうです。肱川の支流のひとつに“黒瀬川”もあります。

地質区分でいうと、秩父帯、黒瀬川帯、三宝山帯、みかぶ帯、三波川帯を流れていますので、岩石の時代も種類もバラエティーに富んだものが見られます。

西予市と宇和島市の境界付近、チャートの断崖の上に位置する「法華津峠」から見た宇和海。リアス式海岸の素晴らしい景観を堪能することができ、運がよければ九州も見ることができます。


全国名水100選に選ばれている「明間観音水」の東屋で、ジオについて勉強中。

石灰岩からのカルスト湧水。洞窟から豊富に水が湧き出ています。地区の飲料水やかんがい用水として利用されており、夏場にはそうめん流しで賑わいます。近くにある石灰岩からはメガロドンという貝化石が見つかっており、今からおよそ2億年前の中生代三畳紀の地層だということがわかっています。


野村にある桂川渓谷。乙御前姫(おとごぜんひめ)にまつわる伝説が残っています。チャート、砂岩、泥岩の岩盤を谷が刻んでいます。

桂川渓谷は別名、「蝶の楽園」とも呼ばれており、植物や昆虫も大切にされています。

野村の地域づくり組織「山奥組」によって2年前に植生調査も行なわれました。

マンガン鉱山跡。日本はかつて、世界的に有名な乾電池生産国でした。それをささえていたのが国内のマンガン鉱山だったそうです。1960年代後半には愛媛県の二酸化マンガン産出量が全国1位となり、そのほとんどが現在の西予市に集中していました。三宝山帯のチャート層に付随して採鉱されていたようですが、今では鉱山跡をさがすだけでも一苦労です。

肱川中流域の野村地区と城川地区西部には河岸段丘が発達しています。

地形図と段丘面とを確認する調査隊。              以上、第2回目の調査報告でした。