日本列島の地質の特徴
日本列島は、さまざまな時代の地層や岩石からできています。一般的に、日本列島では大陸に近いほど古い地層や岩石が分布し、太平洋側ほど新しいものでできています。また、マグマの活動が活発なため、いろいろな時代の火成岩も残されています。
日本列島誕生の鍵をにぎるといわれる黒瀬川構造帯をはじめ、多様な自然、歴史、生態系を通じ、地球のこと、地域のこと、そして自分自身のルーツを知ることができます。
地質図とは、どこにどのような種類の石が見られるか示した地図です。この地質図をみると、大地の成り立ちや年代が分かります。
日本列島は、さまざまな時代の地層や岩石からできています。一般的に、日本列島では大陸に近いほど古い地層や岩石が分布し、太平洋側ほど新しいものでできています。また、マグマの活動が活発なため、いろいろな時代の火成岩も残されています。
四国の地質図を見ると、地層が東西方向に分布してしま模様をつくっています。しま模様は紀伊半島や九州まで伸び、同じ地層があることを示しています。
地質図を見ると西予市には赤い色が点々と見られます。これは他の地域にはありません。これこそ西予市の背骨である4.5億年前の岩石と地層、黒瀬川構造帯です。
実は西予市は、未だ謎が解き明かされていない国内でも極めて古い岩石が、はじめて本格的に研究された地域なのです。
黒瀬川構造帯は、周りに見られる岩石と全く異なる特徴を持つ岩石を見ることができる場所です。大規模な断層帯で、九州から四国を経て関東に至るまで、西南日本の東西に分布しています。初めて研究されたのが、城川町にあった旧黒瀬川村のため、「黒瀬川構造帯」と名づけられました。
ハチノスサンゴ
三滝火成岩類
寺野変成岩類
黒瀬川構造帯の特徴は、周りの2億年前程度の付加体の地層の中に、はるかに古い4億5,000万年前の岩石が見られることです。また、付加体では海でできた岩石がみられますが、黒瀬川構造帯では大陸でできた岩石が見られます(三滝火成岩類、寺野変成岩類)。さらには、暖かく浅い海で生きていたサンゴの化石(ハチノスサンゴなど)も見つかっています。黒瀬川構造帯は、遠い大陸に存在していた大地の一部ではないかと考えられています。