手つかずの自然にふれられるブナの原生林
大野ヶ原のブナの原生林は約75haあり、一部は愛媛県が指定する自然環境保全地域に指定されています。戦後、国策としてスギなどの植林が進められた時代に伐採の動きがありましたが、地元の住民の熱心な保護活動によって守られました。
標高が1,000mを超える大野ヶ原では、生活をしていく上で水の確保が問題になりますが、この森の水を蓄える力のおかげで、今も集落の人々や家畜の命が支えられています。
大野ヶ原のブナの原生林は約75haあり、一部は愛媛県が指定する自然環境保全地域に指定されています。戦後、国策としてスギなどの植林が進められた時代に伐採の動きがありましたが、地元の住民の熱心な保護活動によって守られました。
標高が1,000mを超える大野ヶ原では、生活をしていく上で水の確保が問題になりますが、この森の水を蓄える力のおかげで、今も集落の人々や家畜の命が支えられています。
約2万年前の最終氷期には、四国の平野部でもブナ林が広がっていたことが調査で分かっています。しかし、氷河期が終わり暖かい気候になると、西日本では常緑のシイやカシの森が分布を広げました。その結果、ブナなどの涼しい気候で育つ樹木の生育地は、標高の高い山の上などに限られてしまいました。 つまり、西日本のブナは、氷河期の生き残りとも言えるのです。
近年、地球温暖化による生態系への影響が心配されています。四国のブナ林も、このまま温暖化が進むとなくなってしまうかもしれないと考えられています。
ブナの原生林は、標高1,300m付近に位置し、夏に緑の葉が茂り、冬には落葉する樹木で構成されています。林床では山地帯ならではの可憐な草花を見ることができます。