地質研究のメッカを巡り、今日から君も地質博士に!?

日本最古級のものから、速いスピードで成長を続ける岩石まで、西予市立城川地質館とともにこのエリアをめぐれば、地球の成り立ちと大地の不思議について学ぶことができるはずです。

黒瀬川エリアの地質年代表

G1 下相の海底地すべり跡

◎年代:ジュラ紀末期(約1億5,000万年前)
河岸に降りてみれば、温暖な浅い海の海底で発生した地すべりに巻き込まれた二枚貝やサンゴの化石を観察できます。

G2 寺野変成岩露頭

◎年代:オルドビス紀(約4億5,000万年前)
マグマが地中深くで高い圧力にさらされてつくられた、日本最古級の古さをもつ変成岩で、黒瀬川構造帯の一部です。

G3 三滝渓谷

◎年代:シルル紀(約4億2,000万年前)
たくさんの滝を鑑賞できる三滝渓谷。滝に沿って続く遊歩道の右岸には黒瀬川構造帯を構成する前の三滝花こう岩類を観察できます。

G4 穴神鍾乳洞

◎年代:ジュラ紀(約2億年前~1億5,000万年前)
300mにおよぶ鍾乳洞で気軽に洞窟体験ができます。洞窟内では石柱や石筍など石灰岩による造形美を観察できます。

G5 中津川のトゥファ

◎年代:現代
石灰分を含んだ水が大気とバクテリアの作用で炭酸カルシウムとなり、今なお速いスピードで沈殿を続ける珍しい地質です。

G7 田穂の石灰岩

◎年代:三畳紀前期(約2億5,000万年前~)
暖かい海に生息していたと考えられる、巻き貝の形をしたアンモナイト化石が発見され、西予市立城川地質館に保存されています。

g 嘉喜尾の黒瀬川ロード

◎年代:シルル紀(約4億2,000万年前)
約4億2,000万年前に暖かい海で生息していたハチノスサンゴやクサリサンゴが発見され、黒瀬川構造帯が初めて本格的に調査されました。

g 遊子谷の赤色頁岩

◎年代:ジュラ紀(約2億年前)
泥や火山灰、プランクトンの殻などがあつまってできた堆積岩で、本のページ(頁)をめくるようにはがれることからこの名前がつきました。

g 岩上田

プランクトンなどの殻などでできた硬いチャートの岩で、近くを流れる三滝川の上流から土石流で流されてきたと考えられています。

研究者の熱意と地元の協力で明らかになった、黒瀬川構造帯

もともとこの地域に異質な岩が分布することは、戦前の1930年代から知られていましたが、1940年代には、これらの岩石からシルル紀の化石が四国で初めて発見されました。戦後、研究者たちによって「黒瀬川団体研究グループ」が結成され、戦後の食料にも事欠く時代に、城川町や野村町の山野を歩き回り、詳細な地質調査が行われ、1956(昭和31)年に「黒瀬川構造帯」というタイトルで「地質学雑誌」に論文が公表されました。その研究の裏には、地元の人たちの献身的な協力がありました。