R3 宇和海狩浜の段畑の農漁村景観

R3 宇和海狩浜の段畑の農漁村景観

広大な柑橘畑が広がる狩浜の段々畑

天にまで届くような、石灰岩を積み上げた段々畑

宇和海沿岸に点在する段畑は、身近にある岩石を利用して積み上げられるため、地域によって違う岩石が使われています。この狩浜の段畑の石積みの多くは石灰岩によるもの。春には菜の花が、秋にはミカンが色づき、青い空、石灰岩とのコントラストは絶景です。
この石灰岩は、かつて南の暖かな浅い海に生息していたプランクトンなどの生き物の死がいが、プレートの動きによって大陸にぶつかり、付加体として成長したものです。
2019年(平成31年)2月26日に、本サイトに指定している明浜町狩浜全域と海域の一部が、国の重要文化的景観として選定されました。

先人の英知と努力の結晶によるピラミッド

この地域は江戸時代、イワシ網漁業が盛んでした。やがて、自給作物として稲や甘藷をつくり始め、水田を築くために棚田が切り拓かれました。 明治に入るとイワシ漁が不漁に。養蚕に活路を求め段々畑の半分が桑畑になりました。同時に桑の肥料が流れるのを防ぐために、石垣が築かれました。そのころ柑橘栽培が始まり、昭和30年代には段々畑の多くが柑橘畑となりました。

Pick Up

産業技術総合研究所/地質調査総合センター 地質図Naviより 産業技術総合研究所/地質調査総合センター 地質図Naviより

段々畑の周辺を走る仏像構造線

実は、この段々畑の周辺には大きな断層「仏像構造線」が走っています。この断層より北側では石灰岩やチャートが、南側では砂岩などが大地を構成する主要な岩石となっています。

Pick Up

ツメレンゲ ツメレンゲ

訪れる人を癒してくれる動植物たち

段々畑を歩けば、ウグイスやメジロなどの小鳥の鳴き声や、菜の花、ツメレンゲなどの季節の草花が訪れる人を癒してくれます。

ジオポイントDATA

【アクセス & 注意事項】
◎西予宇和ICより車で約25分
◎駐車場有(狩江公民館)
◎歩ける服装、靴を推奨します
◎道の海側は崖になっているので山側を歩いてください
◎柑橘には触らず、農作業の邪魔にならないようご注意ください

【用語解説】
石灰岩…サンゴの死骸などが堆積してできた石。石灰岩が分布しているところは昔暖かい浅い海だったことが分かります。

【ジオガイド】
◎60~120分 ※通常の料金体系とは異なりますのでご注意ください。

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関連ファイル
かりとりもさくガイド料金表 ( PDF )