約4億年前の大地に開いた穴
野村町の県道29号線沿いの大和田橋から肱川を見下ろすと、川岸の岩石に大きな穴が点々とあります。この穴は「かめ穴(甌穴)」と呼ばれ、川底のくぼみに入った小石が急流で転がり、川底をけずってできたものです。かめ穴は「ポットホール」とも呼ばれ、ここではかめ穴の初期段階と思われるものが複数観察できます。かめ穴が見られる地質は、約4億年前の黒瀬川構造帯に含まれます。
野村町の県道29号線沿いの大和田橋から肱川を見下ろすと、川岸の岩石に大きな穴が点々とあります。この穴は「かめ穴(甌穴)」と呼ばれ、川底のくぼみに入った小石が急流で転がり、川底をけずってできたものです。かめ穴は「ポットホール」とも呼ばれ、ここではかめ穴の初期段階と思われるものが複数観察できます。かめ穴が見られる地質は、約4億年前の黒瀬川構造帯に含まれます。
大和田橋のかめ穴の上流では、シルル紀(約4億2,500万年前)の三葉虫の化石が、愛媛県で初めて発見されました。三葉虫とはたくさんの節からなる節足動物でダンゴムシに似ています。約5億4,000万年前に地球で誕生し、約3億年もの間、進化を続け絶滅しました。恐竜の歴史の1億5,000万年、人類の歴史の700万年と比較すると、いかに三葉虫の歴史が長いかが分かります。
三葉虫は体の真ん中(中軸)と横腹の側葉が合わせて3つあることから、その名前がつきました。頭部と胴部、尾部に分かれていて、頭部に複眼があります。西予市で見つかったエンクリヌルス属はイチゴのようにごつごつした頭で、尾部にとげのような突起があるのが特徴です。
三葉虫の化石が見つかった場所の付近では、4月ごろに淡いピンク色のキシツツジが咲きます。名前の通り川岸に生えるツツジで、護岸工事などによって生育地が減っています。